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「ねぇねぇ~」
絵里が僕の腕を掴んで、顔を近づけてきた。
キスのおねだりだ。
僕の家にいるときは、周りに誰もいないからって本当に容赦ない。
「今日はやけに甘えん坊だね?」
僕は微笑みかける。
「だってぇ、寂しかったんだもん!」
絵里は僕の膝の上に頭を乗せて、ごろんと横になった。
僕は絵里の頭を撫でる。
ほんと、絵里は猫みたいだ。
「1週間に1回はちゃんと会えてるだろ?」
「そんなこと言われても寂しいものは寂しいっ!」
絵里は膨れっ面になった。
僕は、やれやれと絵里のおでこにキスしてやった。
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