その夜

2/6
前へ
/59ページ
次へ
それからどうするんだろう……と思っていると、おりょうは勝手知ったる様子でジャージのゴムに手をかけ、下着と一緒に脱がせた。安治は腰を浮かせて協力した。 既に反応して軽く勃ち上がっている。おりょうは脚を開かせて間に座り、腿の付け根を両手で撫でながらしみじみとそれを観察した。 安治は落ち着かない気持ちで口元を押さえながら、おりょうの表情を伺った。おりょうが目を上げる。にこっと笑う。 ――何の笑顔? そのあとはもう、目を向けることもできず、されるのに任せた。おりょうはまずキスをした。先端から根元まで軽く触れては離れる。滑らかな頬につかの間擦れるのが気持ちいい。 十分に海綿体が充血したのを見て、今度は手で触れる。やさしく根元をつかみ、ゆるやかに上下に扱く。もう片方の手で先端をくすぐるように触る。先走りの液が出てくると親指の腹でそこを刺激し、あふれる液を亀頭全体に塗り広げる。 それから両手で持つと、舌で刺激を始めた。先端をちろちろ舐め、根元のほうへも下りていく。ごく遊ぶような軽いタッチでくびれの部分をなぞる。時々反応を確認するように目線を向けられるたび、ぞくっと鳥肌が立つ。 「うん……」と思わず吐息がもれる。恥ずかしさとくすぐったさを徐々に快感が追い越していく。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加