その夜

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右手と口で勃っているものを刺激し、左手で陰嚢を揉みほぐす。さらにその下の尻につながる部分にまで指を這わせてくる。軽い抵抗を覚えて片膝を立てると、その膝裏から腿の裏側、尻までを撫でまわされる。性感帯ではないにしろ、そんなところを人に触られたのは初めてだ。 感度を上げた体がちょっとした刺激でびくつくようになると、おりょうは刺激を強めた。口内に唾液を溜め、わざとじゅるじゅる音を立てる。頬をすぼめて強く吸う。 長くは耐えられなかった。初めての緊張感が昂りを助長させ、自分でも意外なほど早く達した。 放出の瞬間は離れていた口が、出し終わってからまた被さってきて残りを吸い出してくれる。その強い快感に思わず呻き声がもれる。 緊張が解けて脱力してしばらく動けなかった。頭がぼんやりする。 おりょうは一旦隣に寝たが、じきに起きて自分の部屋へ行ってしまった。戻ってくるのを待つも戻ってこない。どうやら何もしてあげる気がないと思われたらしい。 これではセックスではなくて一方的にサービスを受けただけだ。 まずいな、とはすぐに思ったものの、部屋に入っていく勇気もなければ、謝るのも恥ずかしくてできなかった。
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