成長過程

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大学に入ってじきに彼女ができた。同じ学年で、話が合った。どちらかが情熱的に恋をしたわけではなく、なんとなく「付き合えそう」という雰囲気から交際が始まった。 二人はなんとなく付き合って、なんとなく関係を持った。お互いに初めてではないから、それほどの緊張感もなかった。 彼女は美人ではないけれど、髪が長くて胸とお尻が大きかった。ついでにいうと、お腹と腿もだいぶふくよかだった。 安治は自分の好みを把握していなかった。以前の彼女とは少しも似ていないし、憧れの芸能人にも似ていない。特にどこが好きというわけではなく、なんとなく可愛いと思った。胸が大きいのはもちろん、けっこうなことだ。 彼女自身が肉付きのいい体にコンプレックスを抱いていたのは誤算だったかもしれない。特に、大きいがために形の崩れた胸を見せたがらなかった。数十回は関係を持ったなかで、下着を取ってくれたことはその一割ほどだ。 不満を感じないわけではないけれど、人が良く奥手な安治にはさして問題にもならなかった。無理に脱がせようとは思いもしない。肉付きの良い体を後ろから抱きしめて、温かなお腹の肉を撫でることで癒しを得ていた。
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