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泡をつけるよりも先に舌で味わいたい衝動を抑えられなかったし、それがおりょうを喜ばせる確信もあった。頭を下げていきなり先端に吸いつく。おりょうの涼やかな笑い声が浴室に反響した。
――本当に好きなんだな。
もう何日も一緒に暮らしているが、性行為以外でおりょうがこんな風に感情を表すのを見た覚えがない。
舌先で突起を転がし、舐め上げ、辺りにチュッチュと吸い付く。おりょうはいちいち反応して声を上げた。もっととせがんでいるようだ。
安治は一旦体を離して、おりょうを湯船のふちに座らせた。イスもあったがそちらを選ばなかったのは高さのせいだ。すでに気持ちはできていた。おりょうが喜ぶなら下の突起を舐めてあげてもいい。
手に泡をつけ、首から上半身全体を撫でさする。おりょうの肌は触った手が快感で粟立つほど滑らかで柔らかくて清潔だった。
意識してかしないでか、おりょうの脚が開く。ちらと目を遣る。タオルに膨らみはない。まだ勃起していないのだろうか。
泡を流し、跪いて腹から上に向かってキスをしていく。濡れた肌と唇がチュッと音を立てる。鎖骨から首筋を経由して唇にたどり着く。唇だけで軽く何度か触れたあと、抱き合って舌を絡める。
心地よさと愛しさに没頭しかけた瞬間、不意に、
――誰とでもこういうことができる子なんだ。
という思いが頭に浮かんだ。
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