いざ

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――せいのう? 「じゃあ、挿れたほうが気持ちいいの?」 「はい」 「相手が俺でも?」 途端に寛いでいた表情が不貞腐れたものに変わる。 「誰でも同じです」 その返答に却って安心感を覚える。内心で嫌がられているのでなければ、その他大勢でもかまわない。 「じゃあ、挿れようか」 色気なく言うと、相手も素っ気なく、 「挿れてください」 と返す。 「なんで怒るの」 思わず笑って上半身に覆い被さる。おりょうは下唇を突き出して見せてから、安治の唇にかぶりついた。 キスをしながら肌着に手を入れて脱がせようとする。安治も脱ごうとして肩を動かすうちに体勢を崩して上下が逆転する。これでは具合が悪いとまた逆転しようとして、絡みあったまま一回転する。 「もう」 「抵抗しないでください」 「してないよ」 くすくす笑って体を撫で合う。 おりょうの撫でる手が股間に下りる。柔らかな膨らみの形をなぞりながら、おりょうのほうが気持ちよさそうな顔をする。じきに我慢できなくなったのか、安治の下半身を脱がせにかかる。そして露出させるが早いか、ためらいなく口に含んだ。セミロングの髪が垂れるのを邪魔そうにかき上げる。 ――男らしい。 安治のほうが照れつつ、おりょうがしやすいように体を仰向けて脚を開く。全裸でも股間が見えないかぎり、おりょうは女性だ。女性が嬉しそうにしゃぶっている――風俗の経験がない安治には現実離れした光景だった。
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