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硬さを増して屹立したものから口を離し、からかうように指先で突く。さてどうするんだろうと思っていると、自らその上に乗ってきた。お互いの性器をこすり合わせるように前後に動く。
安治は赤くなって顔を隠す。ビデオでは当たり前に見る行為だが、実践されるとは。おまけに気持ちがいい。まだ理性が十分に働いているだけに、快感に身を任すこともできず、ひたすら恥ずかしい。
「……っ」
いきなり乳首をつままれて腰を浮かす。おりょうは上体を倒すと、両方の突起を指で弄び始めた。
「あの……感じないから、そこ……」
「だったら別にいいじゃありませんか」
「……え? ……うん……」
だからいいのかよくわからない。おりょうはわざと見せつけるように口を大きく開け、舌を出して尖らせた先端で微妙に触れてくる。くすぐったいだけのはずが、じんわりと腰の奥に火を灯す。
「ほら……反応してる……」
囁き声で言われてよけいに恥ずかしくなる。おりょうは舌の動きを大きくしながら、腰の動きも止めなかった。カウパー腺液があふれて水っぽい音を立てるのが耳につく。
思わず吐息に声が混じると、おりょうは嬉しそうに頬を胸につけてくる。
「気持ちいいですか?」
柔らかく可愛い声だった。何度も聞いた覚えがある、ビデオのなかで。傍観者だったときは言われてみたいと思ったが、今は少し後悔している。そもそも性体験が乏しいうえに、相手から与えられる快感に慣れていない。怖い、という思いが徐々に強くなってきている。
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