いざ

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その次のおりょうの行為は安治にも楽しかった。控えめな胸の膨らみを、覆い被さるようにして安治の顔に下ろしてきたのだ。 垂れるほどもない乳房の先端を鼻先に突きつけられる。魚釣りの魚のようにぱくっといきたいのを我慢して、まずは唇でちょんちょんと突く。それから舌を出して先端を軽く舐め、徐々に触れる面積を増やしていく。 一旦口を離して両手でマッサージするように揉み、小さなピンク色の突起を親指の腹で撫でたりそっとつまんだりして弄ぶ。おりょうは声を出したり笑ったりする代わりに、ひどくぼうっとした目で見下ろしていた。不規則に腹が波打つ。 その間、おりょうの腰は安治から離れていた。にも関わらず、安治は自分の欲望がむしろ高まるのを感じた。 ――触ってみようかな……。 単純な思いが浮かんだ。それは小学校高学年のあるとき、未成熟な自身の生殖器に向けられた好奇心に似ていた。 おりょうの下腹部に手を伸ばす。小さいけれど硬い海綿体の塊に手の甲で軽く触れ、やさしく握る。おりょうは少し首の位置を変えただけで反応をしない。そのあとを待っているようでもある。 安治はそれが同い年の青年のペニスではなく、女の子のクリトリスであるような気がしてきた。思えば形が違うだけで、機能はたいして変わらないのかもしれない。 「舐めてあげようか?」 聞いてもおりょうはぼうっとして答えない。胸の谷間の辺りが汗をかいて光っている。呼吸がいくらか速い。静かに欲求を高めているらしい。
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