いざ

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おりょうは落ち着くらしい場所を見つけると、動くのをやめた。動かずに筋肉を締めたり緩めたりして安治を翻弄する。そして満足のいく反応が得られると、次には激しく上下運動を始めた。 「あ……まずい」 新鮮な刺激に急激な射精感を覚え、歯を食いしばる。おりょうは動きを緩めて「まだ」と甘えた声を出す。 「うん……ごめん」 荒い息を封じこめるように唇で口を塞がれる。無遠慮に侵入してくる舌が口内を凌辱する。肌全体が敏感になった体のいたるところをおりょうの手がまさぐる。火照って汗ばんだ肌が擦れ合うのが気持ちいい。 喘ぎ声はなく二人分の吐息だけが静かな部屋に満ちる。 「ん……」 口を離したおりょうは、始めたときと同じく自由に結合を外した。誘うように微笑んでシーツに頬をつけ、うつ伏せの状態で尻だけ上げる。 ――後ろから? 犬の交尾めいた格好にためらいは覚えたものの、おりょうが望むなら異存はない。後ろに回って双丘に手を置く。 おりょうの結合孔はビデオで何度か見ている。女性のと違ってシンプルだ。なだらかな肌がややくぼんだところに筋肉で囲まれた孔がある。体毛も色のくすみもなくきれいなものだ。すでに一度受け入れているので、広がってピンクの内壁が露出している。すぼめた口がぱくぱく呼吸をしているように見える。泡立った潤滑油がわずかにこぼれる。 気持ちいいのかな、という疑問を安治は考えないようにした。挿れられる感覚はわかりようがない。
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