いざ

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抵抗はなかった。柔らかく包み込まれる。まず浅く挿入して先端で味わい、内壁をこすりながらゆっくり滑り込ませる。おりょうはそれまでになく興奮しているようだった。苦しそうにも聞こえる声を規則的に上げる。 前立腺とか精嚢とか言ってたなと思い出し、「どこがいいの?」と聞きかけてやめる。なんだかエロオヤジのセリフみたいだ。 「もっと奥」 聞かなくてもおりょうが答えた。そのとおりにしたつもりが重ねて「もっと」と求められる。長さが足りなかったらどうしよう……と心配するうちに届いたらしく、反応が強くなった。声が大きくなり、波打つように締めつけられる。安治も何か先端にぶつかるものがあるのを感じた。 「あっあっあっあっ」と動きに合わせて声が上がる。腰が揺れ、力の入った体がびくっと跳ねる。絶頂感が高まっているらしい。 おりょうも体は男なのだから、絶頂は一回だけで、なるべく引き延ばしてあげたほうがいい――という考えはこのときの安治に浮かばなかった。単純にもっと気持ちよくしてあげたいと思い、体の前を触った。半ば抱きつく形で肩に唇をつけ、胸の尖りを弄る。 不意に動きが止まった。細い体がびくびくっと痙攣し、安治をくわえこんでいる筋肉が飲み込もうとするかのように脈動する。感極まった高い声と短く荒い呼吸が続く。
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