いざ

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「ん……」 安治はまだ達していなかったが、ゆっくり体を離して横向きに寝た。おりょうは休憩がほしいだろう。ところがすぐにまた乗ってきた。騎乗位でつながる。 感度の上がった体は官能的だった。口と目を半開きにし、汗を光らせながら欲望に濡れた声を上げる。細くしなやかな腰が淫らに上下し、小さな胸が揺れる。安治は下腹部への直接的な刺激もさることながら、視覚的な快感に溺れた。 じきにおりょうの呼吸がまた激しくなった。身をよじらせて苦しそうな顔をしたあと、安治の腹の上に少量の液体を発射した。 ――え? こんなに短時間で続けて射精できるはずがない。さきほど達したように見えたのは間違いだったのだろうか。 それとも今のは小水か? 触ってみると、小水にしては粘りがあり精液にしては薄い液体だった。 ――先走り? 考える余裕を与えずおりょうが腕を伸ばす。起き上がるよう求めているらしい。 つながったまま上体を起こすと、甘えたしぐさで抱きつき唇を合わせてくる。可愛いな……と幸福感を覚える安治の顔を愛しそうに撫で見つめるところがまた可愛い。 おりょうはさらに体を倒したがった。理解して正常位の体勢にする。 仰向けになったおりょうはやはり楽なのか、ほんの少し笑みを浮かべて寛いだ表情をした。安治も慣れた体位で気持ちよく腰を使いながら、避妊具をつけていないことに今さら気がついた。
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