いざ

18/19
前へ
/59ページ
次へ
いくら妊娠の可能性はないとはいえ、なかで出すのは失礼だろう。しかし、慣れているおりょうまでうっかりしたのだろうか。 「あの……着けてないんだけど……」 おそるおそるお伺いを立てると、 「どうぞ」 と返された。どっちの意味だ。 答えは行動で示された。おりょうが首に抱きつき、両脚でも腰に抱きつく。密着する肌の部分が増えたことで快感が増し、射精感が高まる。 「あんっあんっ……」 声に誘導されてさらに昂る。同じ正常位でも、前の彼女はほとんど声を聞かせてくれなかった。おりょうは積極的に楽しませようとしてくれる。 チュッチュと唇に触れては離し、舌を絡める。 「安治さん……」 名前を呼ばれて、ぞくぞくしたものが腰から背骨を駆け上る。差し出された指を咥える。くすっと笑った顔が可愛くて、一瞬気が遠くなる。 蒸し暑い夏の日のけだるさのような幸福感に包まれながら、熱気を吐き出すように射精した。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加