4 忘れたくない普通の日

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 先生みたいに諭され、生徒みたいに頷く。頭のよい洋佑にはやはり、和真の拙い企みを見透かされていた。  瑠珂から、洋佑が恋人候補より和真を優先してくれたと聞いて、その夜のうちに無事の連絡を入れた。さらに埋め合わせのため日程調整を申し出たのだが、洋佑のほうが多忙のために会えないまま月が替わっていた。 「で、最近忙しいって言ってたのは、さっきの子と付き合い始めたからだったんだな」 「付き合い始めって重要だろ?」  耳が痛い。 「LINEで言ってた最有力候補とやらは?」 「あの子がその最有力候補だよ」  洋佑は律儀に自分のグラスを和真のグラスにカチンと当てながら言った。理解が追いつかない和真をよそに、ごくごくと喉を鳴らす。 「てっきり僕のせいでだめになったかと」 「さすがに俺もそう思った。それが姫とつながりあったみたいでさあ。後で事情を説明されたとかで、あっちから付き合ってくれって言われた」 「そう、か。ならよかったんだけど、本当に十九歳か? 十五歳くらいに見える」  タイプは違うが、初めて会った頃の瑠珂を彷彿とさせた。 「自覚あるみたいで、それも向こうから大学の顔写真つき学生証見せてきた」  可愛い上に聡くて、正義感もある子らしい。洋佑とお似合いだと思う。 「そっか。じゃあ、お幸せに」 「どうも」     
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