第99階層・続

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診断書を出したら休めた。 ヒマになったから「VOID」を始めた。 完全フリーだったゲームのβが懐かしい。オープンソースだったもんね。 コード読んでバグも報告した。 あたしには別になんてことはない。 いまだに会社から連絡は来る。 「引継ぎが妥当に行われていない」 あーそー。じゃNP完全問題って何だか知ってる子連れてきて。 「君の作った場所にはドキュメントがない」 仕様書がないんですけども。 「〇ねよ」 これが一番きつい。あたしは自分でも笑うくらい純真だった。 まだ人格なんてそう簡単には直せない。 アドラーを読んで2mくらい投げた。 「社会の役に立っている事」が幸福の三条件の一つだ。 そういうこと書くなら月に200時間くらい残業を6カ月やってから言って欲しい。 とっくにやった。 多次元DBも一から書いた。吐き気がした。 検索エンジンも一から書いた。ばーか。 VOIDには英文の解説しかない。構わず全部読んだ。 読むだけならね。できる。 ――今日はモノ・アイは忙しいみたいだ。 特に趣向を凝らす予定もなさそうだ。 じゃファイアリー・フェアリー・フィーンドの出番よね。 素体はイシリアル。物質じゃない。 魔法は無敵に近い。 「何しに来たの?」     
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