永劫ノ章

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「よくわからないけど、難しそう」 「俺もよくわからないけど、多分、永劫なんて人間は誰も信じちゃいないよ」 「その心は?」 「さっきも言ったろ? 人が心の底で永劫を不可能と見ているから……」 「じゃあ泉は永劫を信じるの?」  僕は彼女の言った言葉の意味が数秒間理解出来なかったが、真意を読み取った瞬間、一本取られたと思ってしまった。 「稲穂、俺は永劫を信じてしまったらしい」 「また一歩、人間から遠ざかったね!」 「そんな笑顔で言うな!」  彼女は続けて、ドラマティックな口調で言葉を発しながら、僕に飛びかかってくる。 「あなた!」 「やめろ!」  彼女に突撃された僕は部屋の中でーー。  僕は永劫を信じていた。  妖によって永劫が存在する事を知り、つまらなさそうだと思ってしまっていたのだから。
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