4人が本棚に入れています
本棚に追加
「よくわからないけど、難しそう」
「俺もよくわからないけど、多分、永劫なんて人間は誰も信じちゃいないよ」
「その心は?」
「さっきも言ったろ? 人が心の底で永劫を不可能と見ているから……」
「じゃあ泉は永劫を信じるの?」
僕は彼女の言った言葉の意味が数秒間理解出来なかったが、真意を読み取った瞬間、一本取られたと思ってしまった。
「稲穂、俺は永劫を信じてしまったらしい」
「また一歩、人間から遠ざかったね!」
「そんな笑顔で言うな!」
彼女は続けて、ドラマティックな口調で言葉を発しながら、僕に飛びかかってくる。
「あなた!」
「やめろ!」
彼女に突撃された僕は部屋の中でーー。
僕は永劫を信じていた。
妖によって永劫が存在する事を知り、つまらなさそうだと思ってしまっていたのだから。
最初のコメントを投稿しよう!