確率ノ章

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「俺たちの思いで作られている」 「あー、石ね」 「でも、降水確率は80パーセントか、5日に4日は雨が降ると」 「なんだか、そう聞くと80パーセントの破壊力も少なくなるね。たしかに、五回に四回だからね」 「確率って、みんな認識するのが下手くそなんだよ。降水確率50パーセントで傘を持たない人が多いのもそれが理由だな」 「二回に一回は雨が降るのにね。折り畳み傘をお忘れなく」 「そう考えれば、麻雀は四回に一回は和了れるようになっているんだって思わないか?」 「最弱闘牌師の泉がなんか言っております!」 「失敬な、俺だって六回に一回は和了れる」 「もうその時点で一般理論から外れているんですが」 「ちなみに俺は直撃することも無いからな」 「それを俗に言う、チキンって言うんだよ」 「なんで、臆病者をチキンって言うんだろうな」 「あの、鳩って」 「ああ、確かにすぐ逃げる。でも、チキンはどっちかっていうと鶏だけどな」 「まあいいや。それより、賭けをしようよ! もし明日雨が降ったら、お揚げさん」 「もし降らなかったら?」 「……、お揚げさんマイナス1?」 「お前、失うものが少なさそうで幸せだな」     
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