3. アリだな

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 ――――今日は二度目のデートだ。 「イタリアンの美味しい店みつけちゃってさ。そこに行こうか?」 「うん」  その素敵なイタリアンのお店は、淳之介と初めて行った、モツ煮の超絶美味い店の2軒隣だった。  有紗はあの時(ここのお店かな……?)と足を少し緩めて、このイタリアンのお店の看板を見上げたのだ。  だから同じ並びにある、閉店している店の引き戸をガラガラと開けている淳之介を見てびっくりしたのだ。  おしゃれで美味しかったイタリアンの店を出る。  デートにふさわしい素敵なお店だった。  あのモツ煮のお店の前を横目に通り過ぎると、港沿いの公園に出た。  これまた街灯がロマンチックで、さわやかな風が通り抜ける。  山縣くんのようにさわやかな風が。  佐多くんのようにうるさくて暑苦しくは無い。  「………………」  山縣くんとバチリと目が合う。 「今、別の事考えてたでしょ?」 「え!?」  しまった……あの佐多くんの素っ頓狂な声が邪魔してきた。 ――――『サプラーイズ! 実はこの廃墟が店でしたあ!』  戸を引きながら言うんじゃない!  と心の中で焦った。  モツ煮のお店のおじさんには、申し訳なくて会釈と苦笑いを送ったのだ――――
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