2. 同窓会

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「久しぶりだね。高橋さん」にっこりと山縣が笑う。 「元気だった?」 「うん。山縣くんも?」  そんなどーーでもいい会話に、淳之介の苛立ちのバロメーターが上がっていく。  早く会話を終わらせろよ! 『さたじゅーーん!』  座敷から幹事を呼ぶ声がする。    このタイミングで!? 「……有紗! 戻ろう!」  酒の勢いと牽制(けんせい)を込めて淳之介が苗字では無く、「有紗」と名前を呼ぶ。 「俺高橋さんとちょっと話してもいい?」  な……なんてストレートな質問!  牽制球のホームランかよ!? 「もちろん」  答えたのは有紗だった。 『さたじゅんやーい!』  座敷から酔っ払い集団の呼ぶ声がする。 「ほら、佐多くん呼んでるよ」  有紗が笑顔を浮かべる。  営業スマイルではない、100パーセント心からの笑顔だ。
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