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「今はどうなんだろうね?」
「今……」
今はどうなんだろう……?
「高橋さんは?」
「え!? わたし?」
「そ。わたしは?」
「私は……友達かなあ……」
確かに友達なんだけど……友達だよね?
仕事相手だけど、同級生だし、「ともだち」……?
「それじゃあさ…………俺とつき合わない?」
「ええ!?」
私…………5センチくらい浮いてないよね??
体が無重力になる。突き上げてきた心臓に引っ張られるように。
まさか山縣くんが私の事を……
あの頃の私ならもちろんその場でOKしたに違いない。
『OK』だなんて言葉でも憚られる。
『こちらこそ! よろしくおねがいしゃっす!!』
って野球部みたいな気合いに満ちた返事をしただろう。
なぜかそのモデルは佐多くんだ。
なのに
「ちょっと考えてもいい?」
って私は何様!?
「期待して返事待ってる」
ってぽぅっとする言葉をくれる山縣くんの、あの頃とかわらない甘い笑顔。
私ってば……なんですぐに返事しなかったんだろう??
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