3. アリだな

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「ごめんね。少し仕事のこと考えてた」  ごめんねの返事はまだ来ないけど、怒ってるのか、気にしていないのか山縣くんの表情からは読み取れない。  佐多くんはわかりやすいくらいわかるんだけどな……  更に一歩山縣が有紗に近寄ると肩に手を置いた。 「!? なに? どうしたの? 山縣くん!?」 「……どうしたのって聞かれると……。俺とつき合ってる人にキスしたいなと思って」  有紗の顔から火が噴く。  つき合ってるんだもんね。  そうよ。  私、あの山縣くんとつきあってるんだもん。  憧れの山縣くん。  中学時代の私の王子様。  山縣が有紗の顔の前に少しかがみ込んだ。     反射的に有紗が一歩後退した。 「あ……ちょっと待って! ……やっぱりまだ早いと思う」
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