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1. 距離感
あれ? 高橋さん笑ってくれた!?
――――当時3-2の英語の担当教師は、年齢不詳で濃い髭と目力の凄いノッチだった。
「Hi、Keita…ここのかっこに入る動詞は?」
「えーっと…………ドゥー……ディ??」
「……Hey! Keita! 恐れるな!」
「……恐れるわーい!!」
相方の啓太とやるこの掛け合いは、西中総人口(教職員含む)の99パーセントを爆笑の渦に巻き込む鉄板ネタだった。
俺のノッチの模倣技術の完璧さといったら……眼光の鋭さと声質、間の取り方等、素晴らしいクオリティだった。
なのに、その残りの1パーセントに含まれたのが、苦笑いを浮かべる本人ノッチと、この高橋さんだった。
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