1. 距離感

2/5
前へ
/30ページ
次へ
「どうして彼女は笑ってくれないんだ!?」  当時声に出して悩んでいたら、それすらネタだと思われて笑われていた俺。    ある時からそれは本気の悩みになっていた…………  彼女を笑わせてやるという芸人根性が、いつしか恋に変わっていたのは言うまでも無い。    …………あ? 言わないとわかんない感じ??  だってクラス委員のクソ真面目な杉崎ってヤツには、何の事話してたのか知らないけど笑ってたんだよ! 高橋さん……!  ちっくしょー!    って思うでしょ??  その嫉妬が恋心だって気づいたんだよ。  いつか俺があの笑顔を引き出してみせる!ってさ。  まあ、ガンガン空回りしていたことが、10年以上も経って今頃判明したんだけどね。  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加