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「そういやさ、3年のクラスの連中とはみんな連絡先交換したんだよ。ただ高橋さんには聞いてなくってさ。聞きに行こうとしたら啓太とかには止められたんだよ。絶対連絡先とか聞くなって。嫌がられるってさ……。もしあの頃聞いてたら……どう反応した?」
「そういう質問好きだよね? オブラートに包んどく?」
「それ言ったらもうおしまいじゃーん」
一人で漫才でもやってるみたいな淳之介が可笑しくて有紗は笑う。
「あの頃の俺がかわいそ過ぎる」
「佐多くんって面白い人だったんだね」
「今頃気づいたの?」
あの頃とは変わらない「佐多くん」
「……あのさ、よかったら淳之介でいいよ……。俺もありさって呼びたいしさ」
「大丈夫だよ佐多くんで。私も高橋さんのままでいいよ。仕事関係者なんだから」
ほんと面白い人だよねと有紗が笑い声を付け加える。
「…………」
距離感がひどいと淳之介は思った。
結構仲良くなれたと思ったのに。
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