第一章 いつもの帰り道

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2017年11月10日金曜日 20時 @地下鉄堺筋線天下茶屋駅 あー、やれやれやっと週末だ。働くのが嫌なわけではないけれど、休日前の帰り道のホッと緩んだ感じは、仕事をしている人へのご褒美にちがいないと真由美は思う。 駅前のスーパーカナートで買い物をして、ついでにテナントショップで阿倍野名物嶋屋のポテトをワンパック買おう。 嶋屋のポテトは大学芋の王様だと真由美は信じている。 並の大学芋とは違って、柔らかいのに、パリッとしている。 透明な蜜が絡んで、ついつい食べすぎてしまうのだ。グラムにあわせて、おばさんがお芋の大きさをみて、詰め合わせてくれる。 お肉を買うときの要領だ。 地下鉄と南海電車の乗り換えが便利で目の前にスーパーがある天下茶屋駅を真由美は気に入っている。ただし、いつもは通勤は難波駅なので、使うのはたまのことになる。 だから、使うときは、ポテトを買わないと全く損をした気になるのだ。 さて、買い物もすんだから、南海電車に乗って帰ろう。真由美は南海高野線の千代田という駅まで帰る。
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