第一章

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「誰って、自分の名前わかんねぇのかよ」 「……」 思い出そうとするも、少女の頭には何も思い浮かばない (どうして……?) 「何も思い出せません……」 (私は……いったい誰なの) 「そっか。ごめんね」 「いえ……」 ふと少女は、彰に目線を送ると 彰も、黙ったまま彼女を見つめる 「どうやら、本当に記憶がないらしいな」 「はい」 彰は、後ろから何かを取り少女に差し出す (刀……?どうして私に) 「それは、お前が持っていた刀だ。覚えはあるか?」 ゆっくりと首を横に降る 少女は動揺を隠せなかった 「何も……覚えてないです……。私、人を斬っていたのでしょうか……」 「ごめん。それはわからない。なにせ君とは初対面だからね」 「そうですか……」 もしかしたら、とんでもないことをしてきたのかもしれない そう思うと、少女は不安の気持ちでいっぱいになる 「とりあえず、それはお前に返そう」 少女は刀を強く握る 「……ありがとうございます」
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