第一章

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「ねぇ、彰兄さん。この子どうするの?」 幸輝のその問いに 少女を一瞬だけ見る 「彼女は人間。何があるかわからないこの場所に居続けるのは、危ないのもあるな」 その言葉に、少女は少し驚きの表情を見せる 「だが、記憶がないままでは帰れないだろうな」 「あの………」 「なんだ?」 「私、危ないんですか?それに人間人間って、あなた方も人間なのでは?」 そう聞くと、翔太が吹き出す 「あははは」 「……?」 「わりぃ、そう言われるのが初めてなものでな」 「確かに、容姿はそう見えるかもしれない。だけど違う。僕らは人間じゃない」 「えっ?それじゃ……」 「鬼だ」 「……鬼?」 聞き慣れない言葉に耳を疑う 「信じられないって顔だな。証拠を見せよう」 そう言い、彰は静かに目を閉じる その瞬間、微風が彼の髪をなびかせる 同時に、左右の額からなにかが現れる ニ本の白き角に、少女は目を離すことはできなかった そして、なぜか懐かしさを感じた
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