第二章

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朝の静かな山 ただ二人の足音だけが響く 「なんだ、浮かない顔だな。幸樹」 「だって…」 二人は山を降りていく 遡ること昨夜 見回りが終わり幸輝は彰の部屋に来ていた 「人里に降りる!?」 「あぁ」 「彰兄さん、正気?」 彰の発言に、幸輝は驚きを隠せなかった 「花子がどうやってここまで来たのかを知りたい」 「いや、だからって」 いきなりの事で納得はできなかった 「記憶が戻ってから話を…」 「その記憶はいつ戻ってくるんだ?」 「まぁ…それは…」 「人の娘が夜に一人でここまで来たんだ。よほど何かがあったんだろう。それにあの持っていたことも気になる。明日、早朝に出るがお前はどうする?」 「僕…」 花子について知りたいことがある。でも、人の事で深入りするのは良くないのでは 彼はしばらく悩んだ 「行くよ。僕も一緒に行く」 覚悟を決めそう答えた 「わかった。悪いな巻き込むような感じになっちまって」 「ううん」 「花子は今部屋か?」 「うん。今は凌兄さんが付いてる」 「そうか。もう下がっていいぞ。明日の準備しとけよ」 「了解」 そう言い、幸輝は立ち上がる 「幸輝、明日は内緒で山を降りる。決して誰にも言うなよ。特に花子にはな、付いて行くって言いそうだからな」 「わかったよ。彰兄さん」 こうして、二人は山を降りることになったのだった 行くと決めたものの、まだ心の何処かで納得は出来てはいなかった しかし此処まで来て戻る訳には行かず彰の後を追う 早朝の山は少し風が冷たい 「恐らくこの道を通って来たんだな。行くぞ」 「…うん」 二人はひたすら道を進んで行った
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