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籠を背負いあるところへ向かう
「今日はこいつの収穫じゃ」
「凌さん。これって?」
「唐芋。今は薩摩芋か。そろそろ収穫しないとって思ってたんじゃ」
「じゃあ今日は焼き芋ですね」
「まだ日中は暑さがあるから無理じゃろ」
そう言われ、露骨に落ち込む
(淕さん…残念…)
「あの、どうやって収穫するのですか?」
凌は花子に笑いかける
「まず儂がやって見せるから、よう見とき」
「はい」
葉の前まで来ると蹲踞の姿勢になる
「まずこの葉を切る」
持って来た鋏で次々と葉を切る
そして鋤を手にし
「後はこいつで掘る。芋を傷つけないよう慎重にのう」
深めに掘っていく
すると大きな薩摩芋が幾つか出てくる
「わぁ、凄いですね。大きいのが沢山」
「今回は大収穫かもしれんのう」
(凄い…。私にもできるかなぁ…)
「まぁ、お前さんじゃ大変そうじゃのう。力仕事はわしと淕に任せて、お前さんは薩摩芋を籠に集めてくれるか?」
「わかりました」
「よし。じゃあ、作業開始じゃ」
淕が葉を切り凌が土を掘っていく
出てきた薩摩芋を花子が籠の中へと運ぶ
それと同時に切った葉も隅へ集める
「その葉っぱ乾燥させたら焼き芋に使えますかね?
」
「えっ、それはどうでしょう」
(聞いたことないよ)
「まだ焼き芋言っとんのか」
えへへと淕は笑う
「だって美味しそうですよ、その芋で焼き芋やったら」
(確かに美味しそう)
「でもやるなら、やはり落ち葉でじゃろ。もう少し落ち葉が集まるようになってからじゃ。でも今日は千尋に汁物の具でもしてもらおかのう」
「お、いいですね。焼き芋だけじゃあまりそうですもんね」
「それ、美味しいんですか?」
「お、知らん?かなりの絶品じゃぞ?」
「頬が落ちるほど美味しいですよ」
(そんなに美味しいんだ)
「決まりじゃ。なんとしてもあの絶品を食わせねぇとな」
「そうですね」
二人は微笑みながら作業を進める
(二人はいつもこんな感じで作業をしてるのかな)
そう思うと花子も微笑んだ
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