第一章

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「知るのはあの娘のみ。そういうことなんだな」 「あぁ、そうだな」 あぁあ、と翔太は頭をくしゃくしゃ掻きながら 大きく声を漏らす 「なんか、すっきりしねぇな」 「仕方ないよ。持ち主はあの状態だから」 持ち主に確認しようにも今は眠りの中 いつ目を覚ますのかわからない 彰は煙管を手に取り、煙を吸い始める 「しかし、まさか人間の娘がこんな村に来るとはな」 「彰兄さん、娘をどうする?」 「しばらく様子見だな。まぁ、娘の好きなようにさせたらいいさ。ただ」 「ただ?」 「俺達の敵とみなせば、容赦なく斬る」 その言葉のあと、少しの間、沈黙が続いた 「彼女、人間だよ?」 「だからって油断は出来ないよ。幸輝兄」 翔太は少し真剣な表情で続ける 「油断大敵って言うじゃん」 「そうだね。翔太」 翔太を見ると、幸輝は少し苦笑いを見せる 「幸輝、翔太。報告は以上か?」 「うん」 「あとは、何もなかったぜ」 「そうか。なら下がっていい。しっかり休めよ」 「彰兄さんも、読書はほどほどにね。おやすみなさい」 そう言うと、ニ人は部屋を退出する 「ほどほどに……か」 笑みを浮かべると、彰は再び本をひろげた
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