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「こんなことなら副委員長になっておくべきだった……」
今更嘆いても仕方ないことだが、嘆かずにはいられない。
一駅ずつしらみ潰しに探すには、どう考えても時間が足りない。何と言っても、南海電鉄の駅数は3桁を誇る。そうなると、私が予想する答えがクラスのみんなの打ち上げ代を左右する。
たかが打ち上げ代。されど、打ち上げ代。貧乏学生にとって、その事実は結構ヘビーなものだ。
きっと、私が生徒会長を見つけられなくても、表立って責めるクラスメイトはいないだろう。それでも、やはりプレッシャーを感じずにはいられない。
「…………駅です。お降りの際は……」
色々と考えていたら、あっという間に目的の駅に到着する。
私が、予想した駅。中百舌鳥駅(なかもずえき)に。
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