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「最後にいい顔も見られたし、満足満足。終始リードされてばかりなんて味気ないし」
「……っ!」
「それじゃあ、お疲れ様でした。解散、っと」
騙されかけた悔しさと何とも言えない気恥ずかしさで震えている私なんてお構いなし。生徒会長は右手をフラフラと揺らして愛想を振りまきつつ、振り向くことなくホームに向かって下りて行く。何も言えない私の手元にある生徒会特製南海電鉄ポケット時刻表の束が、微かに揺れる。それはまるで、生徒会長に応えるような愛らしい動きをしていた。
【Fin.】
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