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「そんなに顔赤くしてどうした? 俺だってたまには感謝くらい伝えたくなる事だってあるんだぜ? 毎日毎日旨い飯作って、俺みてぇな何もしねぇダメ亭主の面倒見れんのなんて、お前以外にいねぇだろ」
「待っ…て…、急にそんな…」
顔を真っ赤にして照れるフレデリックの髪をさらりと撫でて、辰巳はさらに追い打ちをかけるように額に口付けた。
「こんなにデキた嫁を、可愛がらねぇ亭主はいねぇよな?」
好きだ愛してると衒いもなく耳元に囁きながら、辰巳はフレデリックの顔を上向かせて至るところにキスを降らせる。わざとらしく水音を響かせて落とされる口付けに、フレデリックは増々顔を赤くした。
「た…つみ…っ」
「フレッド、一生俺のそばにいろよ。俺が愛してんのはお前だけだかんな。俺の嫁が務まんのも、お前しかいねぇよ。だからずっとそばにいろ、な?」
「だ…め…、ダメ…キミにそんな事を言われたら僕は……僕は…っ」
もう耐えられないとばかりに乙女の如く辰巳の胸元に腕を突っ張らせ、顔を俯けたフレデリックが絶叫する。
「幸せ過ぎて気絶するッ!!」
言葉の通りパタリとソファに倒れ込むフレデリックに、辰巳はくつくつと喉を鳴らす。止めとばかりに上体を倒してフレデリックの耳元へと寄せた唇で低く囁いた。
「Je ne veux pas te perdre」
「Je, aussi…」
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