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ちょっと下を見れば見えるのに、ヒロトはそれを拒むようにしている。
ランバートは笑い、タオルで汚れた部分をとりあえず拭った。風呂には入りたいが、今は無理だから。
ある程度そうして清めて、ランバートはヒロトの隣りに寝転ぶ。途端にヒロトは嫌そうな顔をした。まったく、薄情だ。
「いいじゃん、寒いし」
「狭い」
「さっきまで抱き合った仲じゃん」
「うざ」
「君、最低だよ?」
言いながら笑う。そして、ヒロトの顔を見ないように寝返りを打ったヒロトの背中に額を当てた。
「なに!」
「ううん、別に。おやすみ、ヒロト」
ちゃんと明日の朝には忘れておくよ。縋った時の目や、弱い表情も全部、全部ね。
END
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