とある日の

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た。とうとう始まるんだ。今年で走ることが最後になる低学年リレー。このメンバーで走る最後のリレー。二年生として迎える最後の区大会。最後の低学年リレー(二回目)。心が高まる。高揚感が凄い。一走者は二年生で、スタートが抜群に上手い人だから心配ない。 「オン・ユア・マーク」 四走目の自分のところまで聞こえる。ついに始まる。絶対一位でゴールする。そして、学校の相互優勝に貢献する。自分の低学年リレーとして今までやってきたことを全て出す。一気に。 「セッート」 くる。ついにくる。いつでも来い。どんな順位で着ても一位に踊りださせてやる。 「パンッ」 一走がぱっと飛び出す。高中は2位?1位?いい位置。走りも悪くない。というか最高に近い。二走者にバトンが渡ろうとする。少し詰まった様子だ。ただ一応渡った。やっぱり二走者目には二年を入れている学校が多くて、一年生を二走者目に入れているうちの学校は速さ的に四位まで下がってきていた。それでも、一走の人が結構な差を作ってくれたので、そこまでの差はない。こののままの順位、差で自分の所まで来れば絶対全員抜かせる。三走に渡ろうとする。 「ハイ」 四走の位置にいる自分のところまで確かに聞こえた。がしかし、上手く渡らない。 と思った瞬間叫ぶような声かなにか。 「止まって」     
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