朝めし前の事情

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そんな我が家の朝食風景だが、祖父が亡くなった頃から、平日は決まってそこに、祖母の姿はない。 『朝めし前散歩』 親父が勝手に、自分の母親の行動をそう名付けている。 祖母は、かつて電車通勤をしていた祖父を送り出すために、約四十年間、早朝の同じ時刻に起きていた。その習慣のせいで、今も必ずその時刻に目が覚めるらしかった。祖父存命の頃は、その事情は祖父も同じで、共に時間を過ごしていたようだが、最近ではその時間は一人散歩をすることに当てはめたらしい。僕が起きる時刻には既に、祖母は朝ごはん前の散歩へと出発し、僕が座る食卓には不在である。  その祖母の散歩のことで、最近になって気づいたことがある。
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