語り・エッセイ

1/4
前へ
/4ページ
次へ

語り・エッセイ

…… 逝く時 …… 弱き者の屍を大空へ突き出るように延び上がり 目には捉えきれぬ粒子の魂となって天に召されて逝くのでしょう…… 昇りつめた多くの御霊が眠るのは 慶びも苦しみも解放された明るい場所になるのでしょうか。 人を羨んで妬み蔑み嘲笑い生きていた者は 悔やみ懺悔することを受け入れて行くのでしょう 命はそこにあり 独りでは無いことを学びながら授けられた一生の中に 最後に神に問われる質問に答える事 たった一言を告げることが叶いましょうか ……どのように生きていたのかを答えるその時に どれだけ多くの過ちを思い返す事ができるでしょうか…… 小さな、小さなその命でも。 生まれた役目を全うする事が出来ずに終えてしまった魂も どうかこの世に残る哀しみを憂いてくれるなら 洗われて一番高い大空へ召されて逝けますように…… あの涙もその涙も いつか枯れるまでの時を優しく撫でて行ってください。 心穏やかに……
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加