裏切り

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裏切り

この手に今ある失意のうち、 どれだけのものが残るだろう 夢を失った絶望や ひとひらひとひら散ってく願いや この気持ちだけはと守って来たはずでも どれが残って、どれが消えるだろう 何もなかったかのように時計の針は止まらず いつしかこの雨も止む時が来るのに この悲しみだけは止みはしない 守りたくても指の間から溢れていくのに あまつさえ頭上には何も降り注がず 暗闇にたった一人で立ち尽くす人 手を差し伸べることが出来ただろう 邪念に捕らわれて真実を見失う人 心の隙間に棲み着く虚構も 人の手に触れられることもなく 春が来たことも 夏が来たことも 秋が来ることも 冬の季節も感じず 何も聴くこともなくなり 目に映る全てに疑心し 色のない世界を選ぶようになり 失うだけ失ってしまえば 失意の真ん中に置き去りにされて 手に触れるもの聞こえる声その眼差しに 何も感じなくなるものなのか ※ ※ ※ 向けられた言葉を鵜呑みにしたら 信じるに値しない言葉だと知った 何を信じて何を切り捨てるのか そんな選択なんて、 本当はしたくないのに。
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