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男子生徒の手は、咲良のシャツの中へ入り脇腹の肌を直接触っていた。
物理担当の斎藤は五時間目の授業を終えたところだった。
やれやれ。今日も終わりだ。あとは再来週から始まるテストを作るだけだな。半分は終わったし。今日明日で全部完成するだろう……。と考えながらドアを開けた。
視界に飛び込んできた光景に硬直し、二秒は固まった。いや三秒、五秒、十秒くらい固まっていたかもしれない。
なんで咲良がここに? 俺のクラスは今確か、美術の時間だったはずだよな? サボったのか? いやそんな事より、なんで男とキスしてるんだ。……え、男? なんで男? あれ?
斎藤は軽くパニック状態になっていた。
「な、な、な、にっ」
何をやってるんだ! と叱りつけたいのに声が上擦り、言葉が出てこない。
咲良に被さっていた生徒は慌ててその華奢な身体から退いた。相手の生徒は斎藤のクラスの生徒ではないが、同じ学年、B組の生徒と思われた。
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