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「なんでしょうか?」
「バーには誰でも入れるのか?」
「そうですね、一見さんお断りってことになってますけど、会員登録すれば誰でも入れますよ」
それを聞いた鷲尾は胸元に手をいれる。内ポケットにある写真を取り出し、店員に向けた。
宮地から提供された蘇芳の写真だ。
「この女性は見たことあるか? 赤いドレスの女だ」
写真を受けとりしばし眺めていた店員が思い出したように頷いた。
「ああ、あゆさんですね」
「あゆさん?」
清水が名前を確かめるように聞く。彼は写真を鷲尾に返しながら、彼女に向かって首を縦に振った。
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