21. 相棒のような2人

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「オーナー、ってことは……第一発見者か」 「そのオーナーさんが、彼氏に繋がるヒント知ってるかもだよ」 清水も真剣な面持ちで同意する。 無断欠勤を不審に思ったオーナーが家に行ったことから発覚した事件だが、その無断欠勤はレストランではなくバーだったのかもしれない。 「地下のバーに行くぞ」 「えっ、でも昼だからあいてないんじゃ」 「それなら夜に来るまでだ。ひとまず行こう」 清水が返事をするまでもなく、鷲尾はさっさと歩きだしてしまう。 普通なら成り行きとはいえここまで巻き込まれた上に勝手に決めないで、などと怒りそうな場面だが、彼女は違った。 鷲尾には聞こえないような小さなため息をついてから 「仕方ないなあ、もう」 と困ったようにでもどこかうれしそうに呟くと彼のあとをおいかけた。
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