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22. 死んだ男
その日の夜。野崎冬馬は周囲に誰もいないのを確認し、公園の中へと入った。
あたりは暗闇で、電灯もなく夏なのに寒々とした光景だった。遊具の近くに人影を見つけ近付く。
「よう、早いな」
それが話相手であることが分かり、野崎は気軽に声をかけた。
「持ってきたか? 金」
男性は頷くとアタッシュケースを差し出した。野崎は受け取り、ベンチの上にそれを広げる。
機械的なアタッシュケースが開く音のあとで、彼は携帯を懐中電灯代わりにして中身を照らした。
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