199人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぐあっ、がっ、かはっ……は……う……」
最初は殴られる音とほぼ同時に呻いていたが、気付けば呻き声はなくなっていた。
男性が彼の背中から離れるが、彼は微動だにしない。
男性はそれを確かめてから、ポケットから野崎の携帯電話を取り出すと、殴り殺した石でそれを壊し始めた。
彼の血が携帯にもつく。あかりがついていた画面は真っ暗になり、それを確認してから携帯を裏返し、外したバッテリーも壊していった。
「はぁ……はぁ……」
一通り終えると、男性は額の汗を袖で拭う。
石を適当な場所に放り投げると、立ち上がりアタッシュケースを拾い上げ、荒くなった足元の砂をならしてから公園から姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!