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良くも悪くも、成宮の主張が認められる結果となった。喜ばしいことだが被害者が出なければこうならなかったことに成宮は不満げな様子だった。
人を守りたい、その思いで警視総監を目指し現在も奮闘中なのに蘇芳に続いて犠牲者をだしてしまったことが悔しかった。
「どうだった? 店のほうは」
「オーナーは頑なに客のことはしゃべらなかったが、情報はくれた。確かに、蘇芳には彼氏がいて、あの店の指輪をプレゼントしていた」
「きけなかったんだね?」
「無理に言わせれば後で警察がどうのこうのと言われるからな、昨日は一度引き上げたんだ」
頷きながら鷲尾が説明をする。鷲尾はともかく、成宮は昇進がかかっている。ある程度は成宮の実力でカバーできても、彼に迷惑をかけるわけにはいかないからと鷲尾は慎重だった。
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