27. 浮上した容疑者

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「それで、話というのは?」 そのままの調子で馬場がテーブルのうえで両手を軽く組んで鷲尾に尋ねる。手帳を取り出し、ボールペンを構えた鷲尾はひとつずつ質問をしていった。 「昨日、野崎冬馬という男性が殺されました。馬場さんは彼と知り合いではないかと思い、なにか知っていることがあればと」 「野崎さんという人は知りません」 鷲尾の問いに、馬場は横に首を降った。演技なのか本当なのか、考えこむような表情もしている。 「野崎は貴方の彼女であった蘇芳友梨さんのストーカーでした。野崎は貴方のことを知っていたと思うのですが」 「野崎さん本人から、私が彼の事を知っていたと聞いたわけではないのでしょう?」
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