27. 浮上した容疑者

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さらに鷲尾が畳みかけるが、馬場は丁寧な口調で彼にそれ以上いわせようとしなかった。 「それに、蘇芳さんという女性も私は知らない」 そう言われてしまえば何もいえなくなる。だが鷲尾は食い下がった。 「キャバクラの常連だそうじゃないですか。オーナーから話を聞きました」 「……ま、確かに常連です。でも上司との付き合いのためですよ」 「蘇芳さんは彼女ではない、と」 「ええ。私には婚約者もいますから」 そういうと、馬場はなぜか自慢げに少し微笑んだ。その口から出てきた名前はさんざん振り回されたあの女性―― 「合川美代さんです」
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