199人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
「先に、話をしておいていいか」
そんな清水の様子に気付かない鷲尾が成宮に向かって言葉をなげる。彼も頷いたのを見て、話しだした。
「馬場は蘇芳との関係は否定した。蘇芳と野崎が殺された日、共にアリバイはない。あと、合川の名前をだした。婚約者らしいぞ」
「へぇ、婚約者かあ」
驚きながらいう成宮に鷲尾は頷いた。
「そのあと、他の社員に聞いたが……馬場が入社したのが3年前か。そのときに合川のほうが一目惚れして付き合い始めたんだそうだ」
「社長令嬢と付き合えるなんていいなぁ、お金持ちじゃん」
のんきに清水がもらす。その向かいで、困ったような笑いを浮かべていた成宮が何かを思い出したように、あ、と短く声をだした。
最初のコメントを投稿しよう!