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「はるるん、そのへんで」
まずい、と直感的にかんじた成宮がそう制止をしようとしたときに、遂に鷲尾は清水の心をえぐる決定的な台詞を吐いてしまった。
「帰れ! ここは遊び場じゃない、蘇芳という罪のない人物が殺された殺害現場だ!!」
少しの間の後、清水は先ほどまでの怒りはどこへやら、怒った顔から眉尻を下げた悲しそうな顔になり下を向き
「あっ、そ」
と2文字、3文字をぼやく。
遊び場でないことも、蘇芳が殺された場所だということも清水は分かっていた。
だから、役に立ちたくてここに来たのに、鷲尾に帰れと言われたことで自分はいらないんだと無意識に解釈してしまった。
他の感情ももちろんあるが、今はそこまで考える余裕はない。
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