32. 初めての感情だから

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そう考えてはいないが、無意識に思っていたかもしれないし、他の人からそう見えたかもしれない。 成宮はいいながらどんどん落ち込んでいく清水の肩を抱くと軽く叩いた。 「それならそれで反省すればいい。それから次にいかそう。失敗を繰り返したぶんだけ成功もするから!」 ね、と励ますように笑う成宮に清水の涙はやっと止まった。いつの間にか鼻をすする音も消えている。 「クロさん……ありがとう」  「俺に乗りかえてもいいよ?」 「乗りかえる前に乗ってもないから」 「それは残念」 成宮の冗談に乗っかると彼は嬉しそうに笑った。それをみて清水も、少し間をおいてから切り出した。
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