32. 初めての感情だから

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「……あの、クロさん。私でも、できることあったらなんでも言って。またけーちゃんに話聞きたかったら連れてくるし。……今日のこと、反省する」 「分かった。ちゃんと学校行くんだよ?」 「……うん」 清水の役に立ちたいという思いがあることを成宮は察して、首をたてにふった。そして彼の問いに素直にうなずいて返事をした清水の頭をかるく撫でる。 頭をなでられた清水は一瞬驚いたような顔をしてから、照れ笑いのように小さく笑ってみせた。 ――はるるんに、次会った時は謝らなきゃ。 だが、清水が鷲尾と会えるのはもっと後になってしまうことをこのときの彼女は知らなかった。
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