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「……いいえ」
「おかしいな、購入者リストに馬場さんの名前あったんですけど」
「見間違いなのでは？」
「いや、絶対ありました。本当に心当たりありませんか？」
「……ありません」
成宮の度重なる追求にも馬場はやはり笑顔のまま首を横にふる。成宮も真剣な顔から笑顔になると、机の上で両手を組んだ。
「後出しされた情報を警察が信じるとは思わないほうがいいですよ」
笑顔だからこその、無言の圧力。それを感じた馬場は頭をかきながら、すみませんとぼやいた。
「買いました。指輪を、ひとつ」
「ご協力ありがとうございます。どなたかにあげたんですか？」
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